誰もが、昔の写真を見て忘れていた過去の出来事を思い出した経験があるだろう。
自分の記憶はなくても、他人から伝えられることで初めて知る過去もある。
しかし、人の記憶は自分が思うよりも曖昧なものである。場所や時間、季節や天気、一緒にいた人など、全てを鮮明に記憶することはできない。
だからこそ、目に見える情報を瞬間的に記録できる写真が、人の記憶を呼び起こすきっかけになる。

では、写真によって思い出された記憶はどこまで信用できるのだろう。

この作品は、Stable Diffusionによって作られた「偽物の思い出写真」のアルバムである。
架空の出来事をまるで真実であるかのように錯覚させ、人の記憶の改竄を狙う。

本作品は2022年度秋学期に慶應義塾大学SFCにて開講された講義「メディアアート実践」にて制作した作品である。
Direction / Sogen Handa, Sano Fushi, Miho Takahashi, Masaya Shirai, Shota Nakayama
Machine Learning, Technical / Sogen Handa
Album Making / Miho Takahashi
Photograph / Masaya Shirai
This work was created in the lecture "Media art - Introduction and practice" at Keio University SFC in the fall semester of 2022.