本作品は、クラゲの拍動から生み出されるサウンドインスタレーションである。リアルタイム画像解析によってクラゲの拍動の検出を行い、拍動をトリガーとした音楽生成システムを構築する。
クラゲは最もシンプルで完結した生命体である。機能的なシンプルさを持つ構造から生まれる美しい拍動という振る舞いは、固有のリズムを刻み続け、私たちに未知な生命感を感じさせる。
クラゲはRhopaliaと呼ばれる感覚器官から外部刺激を得ることにより、拍動という生存行動を行う。そして拍動は新たな水流を起こし、その波は再び外部刺激として次のクラゲの拍動を引き起こすトリガーとなる。こうした目に見えることのない相互作用は時間をかけ、6億年という種の存続システムとして表象する。
本作品もまた、独立して存在する複数のクラゲの拍動から音響を生成し、作品全体として、一つの音楽生成システムとして振る舞う。個々のクラゲは音楽を理解せず、互いの存在も意識しないが、複数の個体による活動が合成され、その結果鑑賞者の中でそれぞれの音楽として知覚される。
こうした知覚を通して、本作品は生命の有機的な身体性と潜在的な相互作用を提示する。

Project Lead : Kenshiro Taira
Technical Direction : Sogen Handa
Production Management : Risako Shibata

Sound Design/Engineering : Nimisha Anand
System Engineering : Sogen Handa
Lighting Engineering : Sogen Handa, Nimisha Anand
Aquarium System : Kenshiro Taira
Production/Design : Len Matsuda, Kenshiro Taira, Risako Shibata, Victoria Maki
Project Support : Ryotaro Hoshino

Creative Direction:Yuta Uozumi, Kenta Tanaka, Ryoho Kobasyashi
Academic Supervision : Shinya Fujii

Special Thanks : SUMIDA AQUARIUM, Ishii-Ishibashi Fund

©︎ Keio University SFC x-Music Lab (Shinya Fujii Lab)